〜コンペのページ〜
JMA(日本山岳協会) Competitions
第24回大会 千葉 印西大会【第65回国民体育大会山岳競技リハーサル大会】
千葉県印西市 松山下運動公園 総合体育館
'10年6月5日〜6日
男女総合リザルト
今大会で特筆すべきはまず、常設の国体会場としては埼玉国体以来となる屋内会場での開催だったということだろう。伝統的に(?)国体会場は屋外であり、仮設についても神戸大会の例があるのみだ。
大きな理由としては、大規模な人工壁を常設で設置する場合、既存の体育館では様々な制約があって難しいと言うことがある。しかし今回は幸運なことに、体育館の新設時であったため、屋内の常設壁が実現した。昨年の新潟国体のように、開催時の天候に気をもむ必要が無いというのは、非常にありがたいことだ(今回は皮肉なことに、「屋内開催の大会に限って好天に恵まれる」というクライミングコンペのマーフィーの法則が当てはまったのではあるけれど)。
そしてもうひとつは、選手の世代交代が一層強く印象づけられたことだろう。昨年のこの大会は、若手の台頭にベテランが待ったをかけた結果だったが、今大会はベテラン勢が若手に完全に押し切られた形となった。それは決勝に残った顔ぶれを見ればあきらかだろう。女子に至っては、大半が10代の、未だユース大会に出場できる選手である。男子の渡辺、小澤、松島、女子の小林、榊原は、キャリアからすればベテランと言うべきではあるが、それにしても20代半ばから後半。もはや30代には太刀打ちできない競技になってしまったのだろうか。競技の特性から言って、そういうものだと言ってしまえばそれまでなのだが。
競技の結果はリザルトをご覧いただきたい。男子は本命の安間が、決勝をただ一人完登して優勝。圧倒的な強さを誇る安間だが、他の選手も決して負けてはいない。2位の渡辺数馬はどうしてもボルダーの選手という印象が強いが、最近はリードにシフトして、本来の実力を発揮している感がある。3位の角田は、今回は完全に「当たり」だったようだ。望みたいのは安定性だろう。
女子は小田桃花が、ボルダリング・ワールドカップでの2位入賞の余勢を駆って、小林由佳を破り優勝した。小林は今回が今期初コンペと言うこともあって、充分な調整ができていないのかもしれない。小田は昨年のボルダリング・ジャパンカップでも野口啓代とスーパーファイナルにもつれこんでいる。オールラウンドな強さで、他の若手女子から頭一つ抜け出したようだ。
さてこの会場についてもう一つ。ゆくゆくはワールドカップを開催する、と言う話もあるという。東京近郊で成田空港も近い、と言う意味では大会誘致には有利な条件を備えている。国体終了後は、新しい競技会の拠点として大いに活用されることを期待したい。
(写真:金子 壮太)
このページのトップへ